「映像の世紀」コンサートに行ってきました(感想つき)(墨田区・錦糸町)

趣味

映像の世紀のコンサートに行ってきました。

「映像の世紀」とは

「映像の世紀」は、1995〜1996年にNHKで放送された番組の1つです。

番組の内容は、主に第一次世界大戦と第二次世界大戦、そしてその後の世界について

まとめたドキュメンタリーになっています。

ただ、他のドキュメンタリーと違うのは、現代の有識者などへのインタビューが全くないこと。

20世紀の記録映像とその時代背景の説明、その当時生きた人々の声だけで構成されていて、

「半沢直樹」でも有名な山根基世さんのナレーションで淡々と進む番組です。

当時、父親がこの番組を見ていたので、幼いながら一緒に隣でみていたのですが、

ありのままの映像を流すことに重きを置いた内容が最初は好きではありませんでした。

(とにかく負傷した人、飢えている人、亡くなっている人が回によっては多く出てくるので)

ただ、「なんでこんな悲惨で苦しくなるような番組を見るんだろう」と思いながらも、

このドキュメンタリーを見ることで、世界史に興味が湧いたのと、

「戦争は絶対に二度と起こしていけないもの」と強く思うきっかけになりました。

コンサートについて

このコンサートは職場の同僚が教えてくれました。

本当にこういうのが好きと思う人が近くにいる&一緒に行ってくれるだけでも

東京に出てきてよかったなと思う。

今回のコンサートは、東京フィルハーモニー交響楽団とナレーションの山根基世さん

そして、映像の世紀の音楽担当だった加古隆さんが出演されるという、素晴らしく豪華な公演。

生きててよかった。。

以前も同様のコンサートはあっていたそうなのですが、今回初鑑賞です。

加古隆さんは、言わずもがな、唐沢寿明さんが出演されていた「白い巨塔」

NHKの人間ドキュメントの「黄昏のワルツ」の作曲者。

そしてこの「映像の世紀」の全体の音楽を作曲されています。

特にオープニングの「パリは燃えているか」は、とても悲しく、とても美しい曲です。

昔、imageというアルバムにこの曲が収録されていたのですが、

夜聞くのが怖かったのを覚えています。

感想

今回、会場は「すみだトリフォニーホール」で行われました。

会場のお客さんは、50〜60代のおじさま方が多い印象でしたが、

夫婦やカップル、そして若い方(小さい子は小学生?くらいの子どもさん)もいらっしゃいました。

映像とオケってどんな感じなのか?と最初は思っていたのですが、

こんな感じで舞台が設営されていました。

上のスクリーンを見ながら、下のオケをチラチラ見る感じの配置です。

私は1階の席から観たのですが、スクリーンもばっちり見えました。

ちなみにプログラムはこんな感じです。

前半、後半の2部編成です。

始まりはもちろん「パリは燃えているか」

加古さんは「ピアノの詩人」とも評される方ですが、

この繊細なメロディーを時には儚く、時には強く弾かれるところがその名の通りだなと思いました。

また、各章の初めには必ず山根さんの時代背景のナレーションがあった後に、

スクリーンと生オケが演奏されるので、リッチなテレビを見ている感覚でした。

(なんかもっといい表現したいのに語彙がない。。。泣)

映像もこのコンサート用に編集されていたもの(2016年に制作)が写し出されていて、

本編と比べるとかなり短い時間にも関わらず、要点を抑えてありました。


そして、久しぶりに見て感じたのは、この100年あまりで人間の技術が恐ろしく進歩したこと。

コンサートでも流れた第一次大戦の初期は、

まだ長篠の戦いのような騎馬戦も残っていたのですが、

それが、戦車、毒ガス、戦闘機、核ミサイルと兵器が進化していく。

更に、またこの何十年かで、更に技術が進化していることの素晴らしさ怖さを感じました。

もし、仮に第三次世界大戦があるなら、今のコロナのようなウイルスによるバイオテロであったり、

原子力施設や水道施設など人の命に直結する施設を物理的、もしくはサイバー攻撃を行なって、

機能不全にする、もしくは故意に数値を上げ下げしたりすることも、もはや不可能ではない。

「そんなことは絶対にない」とは言い切れない時代に私は生きているんだなと改めて感じました。

更に、最近思うのは、アニメとかでも簡単に人を傷つけるものが多くて、

小さい子どもまでもその描写に慣れてしまっている部分があるのではと個人的に感じます。

今回も子どもさんが鑑賞されていましたが、

実際に人が人を傷つけることはとても重く、

人の体も心も周りの家族も何もかも破壊してしまう可能性があるものだと理解した上で、

いろんな作品を楽しんでもらいたいなと思いました。


すっかり脱線してしまいましたが、

今回演奏された曲の中の「睡蓮のアトリエ」が私はとても好きで、

悲惨な映像が流れたりした後に、この穏やかなフルートの音色を聞けて癒されました。

何回も延期されたコンサートでしたが、全て聴くことができてよかった。

アンコールでは、加古さんが「黄昏のワルツ」をピアノで演奏されたのも感涙ものでした。

もし興味がある方は、12月24日に「加古隆クァルテット」が渋谷のオーチャードホールで

開催されるようなので、行かれるのはいかがでしょうか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました